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世界がNoと言っても、僕はYesと言う:√173 & 浜松若者社中代表 杉山真之介

  • 2017.05.02
  • 利用者紹介

浜松のコワーキングスペース&シェアオフィス「Dexi」の利用者様にインタビューをして、事業にかける想いと素顔に迫る本企画。今回は、√173(ルートいなさ)と浜松若者社中で代表を務める杉山さんにお話を伺いました。

プロフィール

√173代表、浜松若者社中代表

杉山真之介

高校を卒業後、世界一周に出る。帰国後、若者が引佐を最大限楽しめる場所作りを目的として√173(ルートいなさ)と、浜松の若者が集まり切磋琢磨できるコミュニティ浜松若者社中を設立。現在は、浜松市市民協働センターでNPOの活動支援をしながら、√173と浜松若者社中で代表を務めている。

世界一周のきっかけは何気ない一言だった

私が高校生の頃は、世界一周なんて考えもしませんでした。なぜ、世界一周に行こうと思ったんですか?

世界一周で何かを実現したいという気持ちよりも、直感で動いていました。もともと、雑誌編集の仕事がしたかったので専門学校に行く予定だったんですよ。でも、ある日母親に「世界一周に行けば?」と、何かの拍子に言われて。

-その一言で行動したのですか?

その言葉を聞いた瞬間、自分の中に衝撃が走りました。パスポートもなければ、英語も話せませんでしたが、ネットで調べたら、英語は必要ないとわかり、世界一周のイメージが明確になりました。それ以降、進路希望には旅人と書き、当時の担任の先生を困らせたものです。

でも、最後には「お前が本気でやりたいなら応援する」と、後押しをしてくれました。

-普通、高校卒業後は、就職か進学ですからね。普通から一歩外れる勇気はどこから来たのでしょうか?

小さい頃から、ハーフの人や外国人など自分と異なる外見、考え方を持っている人たちに興味を持っていました。そして、それと同じくらい自分が人と違うということを意識していました。

あとは、親戚に仙人みたいな人がいて。下駄履いて、髭を生やして、山の中で自給自足しているんですが、その人が一時期海外の公園を転々としながら、暮らしていたということを聞いて、自分でもできるなと変な自信を持ったことも大きいと思います。

世界一周中に寄ったサハラ砂漠で砂漠ボード

地域をつまらなくしているのは自分自身

-帰国後は何をしていましたか?

帰国した後、一般社団法人グローバル人財サポート浜松で在住外国人の支援をしていました。その後、今の職場である浜松市市民協働センターに転職し、仕事の傍ら√173を設立しました。

-√173の原点はなんですか?

世界一周をしていた頃、ミャンマーのピイという田舎町で、現地の人と一緒に遊んだり、ピクニックに行ったり毎日を楽しく過ごしました。相手は、28歳くらいだったにも関わらず、まるで子供のように遊びを楽しんでいました。その様子を見て、日本にも童心に帰れる遊びがあってもいいんじゃないかと思ったことが、√173に繋がっています。

-世界一周の経験が影響しているんですね。

そうですね。他にも、地域を面白くするのも、つまらなくするのも自分自身なんだと感じました。今の若い人は、カラオケやスポッチャなど、誰かが作った場所でしか遊ぶ楽しみを知りません。幼かった頃のように、泥だらけになったり、虫を取りに行ったり、もっと心の底から地域を楽しめる遊びがあってもいいと思うんです。

-√173のイベントの一つで、大人が全力でフラグキャッチをする泥リンピックは、「とびっきり!しずおか」でも、特集が組まれるほど注目を集めました。√173がイベントで大切にしていることはなんですか?

自分たちが全力でイベントを楽しむことを重視しています。大人向けのイベントは、しらけてしまうことが多いのですが、自分たちが全力で楽しむことで、参加者も恥じらいを捨てて全力で参加できる雰囲気を作っています。

泥リンピックの様子。子供から大人まで泥だらけになりながら盛り上がった。

できるかできないかではない。人生は、やるかやらないかだ。

-明らかに同年代の人とは違う方向へ進んでいますが、周りと違う道に進むことに不安や恐れはありませんでしたか?

全くありませんでしたね。むしろ、1年後2年後が見えてしまうほうが、僕にとっては絶望です。そもそも、不安だからやらないという選択肢はなく、心から全力を注げられる選択をするようにしています。その基準になるのが、自分がワクワクするかどうかです。気持ちが乗らない選択肢に、全力を注ぐのは不可能です。どれだけ自分を騙しても、心からやりたいことはやるしかありません。

-しかし、すべての若者が杉山さんのように直感的に行動できるわけではありません。

確かに、自分が何をしたいのか分からないと相談を受けることもあります。話を聞くと、未来への設計図を完璧に作ろうと頑張り、結局今何をするべきなのかを具体化できず、一歩も踏み出せていません。

そんな状況を見て、浜松若者社中を立ち上げました。浜松若者社中は、一歩踏み出せない若者の”やりたい”を後押しする場所です。特に浜松には、若者が集まるコミュニティや土壌がありません。せっかく芽生えた何かしたいという気持ちを、社会に否定されて消えてしまう前に、肯定してあげたいんです。

-最後に、一歩踏み出せない人にどのように声をかけますか?

僕が世界一周中にエベレストトレッキングした時のことです。18歳くらいの若い男の子が荷物持ちをしていました。彼と仲良くなると、自ら選んで働いているわけではなく、すぐにでも逃げ出したいということを知りました。

この時、世界には自分の生き方を選択できない人がいることを知りました。世界は不平等なんです。でも、日本人は、選択肢を持っています。やりたいことをやれる環境にいるのに、できない理由ばかり並べ行動できていないだけです。やりたいことをやるには、誰になんと言われても、できる方法を考え一歩踏み出すことが大切です。自分のワクワクを追い求めましょう。

 

取材を終えて

人生を通してやりたいことはなくても、まずは身近な”やりたいこと”をやれば、次の一歩が見つかるんだなと思ったインタビューでした。若くして様々なチャレンジをしている杉山さんは、そのことを直感的にわかっているようでした。今後のさらなる活躍に期待したいと思います。

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インタビュアー   島津健吾
浜松を拠点に、Webコンテンツの企画や制作、Web記事執筆、SNSとブログの運営代行をおこなっています。

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