

期待は超えるためにある。写真で感動を生み出す”フォトグラファー”のプロ意識:GRAPHYS代表 杉瀬宏昌
- 2017.07.04
- 利用者紹介
浜松のコワーキングスペース&シェアオフィス「Dexi」の利用者様にインタビューをして、事業にかける想いと素顔に迫る本企画。今回は、GRAPHYS代表の杉瀬さんにお話を伺いました。
プロフィール
GRAPHYS(グラフィーズ)
代表 杉瀬宏昌
北海道札幌市出身。フォトグラファー。浜松で営業職を務めた後、デザインを勉強しフォトスタジオに入社。5年間独学でカメラを学び、90年の歴史があるシイキ写真館へ。撮影技術とフォトスタジオの経営ノウハウを学び、出雲殿グループ写真部門の総責任者として招かれる。その後2015年4月にGRAPHYSを創業し、現在はウェディングの撮影を中心に日本中を飛び回っている。
フォトグラファーにも得意・不得意がある
-「写真家」「フォトグラファー」など様々な呼び方がありますが、杉瀬さんはどのようにお呼びすればいいでしょうか?
まず、写真家とフォトグラファーの違いについて簡単に説明すると、写真家は陶芸家や画家と同じように自分が撮った写真に値段をつけて売りますが、フォトグラファーは、クライアントから依頼されたものを忠実に再現してお渡します。そういう意味で言えば、私はクライアントからの依頼を受けて撮影するのでフォトグラファーです。
-写真家とフォトグラファーでは意味が異なるんですね。
そうですね。しかも、フォトグラファーと言っても、人物、物、屋内、屋外など被写体や条件によって得意・不得意があります。例えば、屋内の撮影では、光を作り出すライティングの高い技術が求められ、人の輪郭や年齢、肌の色によってライトの位置が1ミリ単位で変わります。
一方屋外の場合は、自然光を利用して撮影するため、曇りの日もあれば晴れの日もあります。季節によっては、日の出や日の入の時間も異なるので、臨機応変に対応しなければいけません。このように、屋内と屋外では求められる技術が全く異なるため、フォトグラファーはどちらかに特化する傾向があります。
-全てのフォトグラファーがどんな写真でも撮れると思っていました。杉瀬さんには得意な分野はありますか?
私は、人物でも物でも撮れますし、屋外でも屋内でも撮れます。また、「可愛く撮りたい」「綺麗に撮りたい」など写真の雰囲気もクライアンとの要望に合わせて柔軟に対応できます。そのため、ウェディングや商品の撮影など、被写体や条件を選びません。
徹底的な準備が唯一無二の一枚を生み出す
-クライアントの要望に合わせて柔軟に写真を撮れるということですが、どのように写真を学びましたか?
もともとは、営業職を転々としていましたが、手に職をつけるために、デザインの勉強をしてフォトスタジオに入社しました。しかし小さな会社でしたので、写真撮影もすることに。これがきっかけでカメラを始め、5年間自然光を使った撮影方法とノウハウを学びました。その後、フォトスタジオのパイオニアとも言える磐田のシイキ写真館で、1年間みっちりとライティングを使った撮影を学び、屋内外で撮影できるだけの技術を磨きました。
-独学なんですね。カメラの知識をつけるのにかなり勉強したのではないですか?
もちろん、写真の知識は必要なので勉強しなければいけません。しかし、それに加えて、例えば「牧師さん」「神父さん」の違いや神前式の歴史など、写真以外の知識も同じくらい重要です。一見撮影には関係なさそうに思えますが、物事の本質を知ることで、写真への向き合い方が変わるんです。
ブライダル業界の人が見れば、「杉瀬さんの写真だね」と言われるほど個性がある。
-杉瀬さんが撮る写真には、裏付けされた経験があるんですね。撮影において他に大切なことはありますか?
写真が出来上がるまでには、準備、撮影、編集の3つのプロセスがありますが、準備が全体の70%を占めています。とにかく、クライアントと打ち合わせをしてイメージを共有し、ロケハン(場所の下見)を徹底的におこないます。特に、場所によって機材や撮影条件が変わるため、赤字になったとしてもロケハンは必須です。もし、ロケハンをしないというフォトグラファーがいれば、私はその人を信用しません。それだけ大切なことなんです。
プロフェッショナルを常に求め続けて欲しい
-チャンスが一回しかないウェディングの撮影でプレッシャーはありますか?
商品の撮影は、最悪撮り直しがききますが、結婚式はそうはいきません。何年やっていても、前日からナーバスになり、テレビを見てても上の空です。食事も喉を通りません。逆に言えば、当日までそのくらいの緊張感を持って仕事に向き合っているからこそ、今まで一度も失敗したことがないのかもしれません。
-仕事に対する姿勢から「プロフェッショナル」を感じます。
そうですね。自分をプロフェッショナルだと思っています。だからこそ、独立当初は金額を下げず本当に苦労しました。当然ですよね。独立したばかりなのに、他のフォトグラファーよりも金額が高いんですから。しかし、どんなに小さな仕事でも真摯に向き合いクライアントの期待以上の仕事をすることで、独立2年目に徐々に仕事が増え、最近は、「お前の仕事に対する姿勢にしては、金額が安すぎる。もっとあげていいよ」と言っていただけるようになりました。本当にありがたいことです。それも、自分自身に嘘をつかず、信念を曲げなかったからだと思います。
-仕事に真摯に向き合ってきたからこそ今があるということですね。
私は、写真に対して真っすぐです。写真のことになると、家族も関係なくなってしまいます。逆に言えば、それくらい本気で仕事に向かっているということです。だからこそ、プロフェッショナルな人と一緒に仕事をしたいですし、プロフェッショナルであることを求めて欲しいと思っています。
-ありがとうございました。
取材を終えて
プロフェッショナルとは何かと考えさせられたインタビューでした。料理が趣味ということですが、腕前はかなりのものとのこと。しかも、最近はウイスキーにはまっていて、実際に色々飲み方やお店を教えていただきました。
GRAPHYS
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インタビュアー 島津健吾
浜松を拠点に、Webコンテンツの企画や制作、Web記事執筆、SNSとブログの運営代行をおこなっています。